院長自己紹介
幼少期~医学部生
私は愛媛県今治市(昔は越智郡でしたが吸収合併され市民になることができました)で生まれ、今治西高等学校を卒業しております。
小さいころから大病を患うこともなく、骨折などの大きなけがもありませんでした。病院を受診することは高熱・インフルエンザのときくらいでした。少々の怪我は赤チンを塗って病院に行くことはありませんでした。病院を受診したときにはアルコールのせいなのか独特の匂いで病院の扉を開けるだけでさらに体調が悪くなり、口を開けての診察とかは苦痛でしかありませんでした。病院の外に出ることができれば元気になったように錯覚していました。
とにかく病院嫌いの子供(25歳くらいまで)でした。病院が怖いところだとも思っていました(自分が患者の立場に立つと今でも怖いと思います)。
そんな私がある出来事から使命感のように医師を目指しました。外科医や内科医になるものだと思っていました。(医師になれば病院に行かなくて済むのではと思うこともありました)

医学部生~研修医
広島大学の医学部に進学後、6年生のときに入局する診療科を選ぶ機会がありました。
泌尿器科を選んだ理由は大きく2つあります。一つは手術ができること。当時他科では導入されていなかった腹腔鏡手術を導入しており、経尿道的手術もあり、開腹手術もある。せっかく医師になるからには手術をやってみたかったのです。もう一つは診断から治療(手術、放射線治療、抗癌剤)を全て自分たちの診療科を中心に行うことができるということです。(例えば、胃癌は消化器内科で検査・診断を行い、手術となれば消化器外科で行い、術後の抗癌剤投与などは消化器内科で行います。診断と治療を違う診療科で行う疾患は結構あります。)受診の最初から最後の看取りを含めて一貫してできることが魅力でした。
自分にとっては魅力あふれる泌尿器科だったのですが、親に泌尿器科を選択したことを伝えると「せっかく医者になったのに泌尿器科になるなんてもったいない。他の診療科を選べばいいのに。他の科じゃだめなん?」と変更を勧められてしまいました。世間では泌尿器科はあまり良いイメージが無かったのでしょう。

泌尿器科医になってから
泌尿器科医になってからは広島大学病院で初期研修を行い、松山赤十字病院、広島西医療センター、安佐市民病院、広島大学病院(大学院生など)、三次中央病院などと20年間勤務してきました。多くの先輩から指導をいただき、ようやく一人前の泌尿器科医になりつつあると思っています。そしてこの度、三次せの泌尿器科を開業する運びとなりました。

泌尿器科について
泌尿器科の受診は恥ずかしい?
年齢を問わずおしっこの悩みがあるけれど、泌尿器科の受診に抵抗がある方は多いです。実際、これを読んでいるあなたも待ち時間が長かったり、ちょっとした相談をすることが難しいと感じたり、以前からある症状なので今更相談するのも抵抗がある、年齢のせい、また、私のように病院嫌いで受診を控えていませんか?
日本排尿機能学会が2023年に20~99歳の個人を対象に調査をしたところ、過活動膀胱の有病率は40歳以上で13.8%ですが、この中で実際病院にかかっているのは16.0%だったそうです。つまり過活動膀胱と診断がなされる状態であるのに8割以上の人は病院を受診していないということです。それだけ受診するのに抵抗があるのだと思います。
ある人に泌尿器科受診がなぜ少ないのか思うところを聞いてみました。泌尿器科には恥ずかしさと痛そうというイメージがあるというものでした。泌尿器科を恥ずかしく思う理由の一つに泌尿器科は性病のイメージがあるのかもしれません。
確かに昔は皮膚・泌尿器科で一括りにされた時代がありました。私が泌尿器科を選んだ当時はすでに皮膚科と泌尿器科は全く別の診療科でした。そのため、私は残念ながら性病に関わることがほとんどなく臨床経験を積んでまいりました。(当院は性病に詳しい医師がおりませんので、陰茎にできものができた方は当院を受診しないようにしてください。皮膚科を受診することを強くお勧めします。)また、泌尿器科を受診するとすぐに女性の診察台に上げられて恥ずかしいことや痛いことをされると思うかもしれません(男性は特に)。
泌尿器科を受診する患者さんの中でこのような診察台に上がる処置や検査をするのはおよそ50人に1人くらいの割合でしょうか。血尿などで膀胱癌を疑う場合には膀胱鏡検査をします。この検査の際には診察台に上がることになります。仮に膀胱鏡検査をする必要がある場合にも当院で採用している膀胱鏡は痛みが少ない機械を導入しています。自分が病院嫌いですから、人にする検査もできるだけ痛みが少ないことをモットーに機械選定をしております。
おしっこのトラブルだけなら、検尿、超音波検査や残尿測定、おしっこの勢いの検査(当院では車いす用トイレで普通におしっこをするだけ)くらいでしょうか。超音波検査で下腹をチラッと診せてもらうだけでOKです。痛いことは全くありません。むやみに尿道に物を入れられることはありません。子供の頃の自分でも十分に耐えることができる検査だと思います。
何をされるか分からない状態で病院を受診することが最もストレスが大きいことだと思います。まずはお話だけでも構いません。自分の体がどうなっているから何が起こっている。そのためにどのような検査が必要である。その検査は具体的にどんなものなのか知った上での検査で構いません。嫌だというのに検査をすることはありませんのでご安心してください。

みなさんは、おしっこのプロ
泌尿器科にはどのような状態の方が受診されているのでしょうか?
外来に来られる8割程度の方がおしっこの悩みだと思います。次いで多いのが前立腺癌・膀胱癌などのがんの患者様です。おしっこの悩みを相談することが恥ずかしいと思う方もいると思います。下の世話などを人に話をするものではないと考えているのかもしれません。私を含め生物は生まれた時からおしっこをし、おしっこが出なくなれば人工透析しか代わりの手段はありません。どんな素敵なひとも等しくおしっこをします。1日7回毎日おしっこをすれば、60歳になるころには153,300回(7×365日×60)、70歳であれば178,850回おしっこをしていることになります。
「1万時間の法則」というのがあります。人は1万時間をあることに費やせばその道のプロになれるというものです。15万回もおしっこをしていれば、もはやおしっこのプロと呼んでも良いでしょう。プロのみなさんが困っているということはそれだけ問題が実際にあるのです。まずは相談してみてください。
「三次から広島までトイレに行かずにはおられない」「バス旅行に行くのにトイレが気になってしまって行けていない」そのために遠出を控えている方はぜひ相談してみてください。ストレスなくこれらのことができるようになるのが一つの治療の目標だと思います。
日々の新聞広告には夜間頻尿などに対する漢方薬やサプリが出ています。新聞を購読している多くの人がおしっこの悩みを抱えているからでしょう。では男性下部尿路症状・前立腺肥大症診療ガイドラインではサプリや漢方薬などの代替療法はどのような扱いになっているのでしょうか?「有効性を示す報告はあるが、効果の一貫性が十分ではない。また、適切な摂取量が明確でなく有害事象もあり、推奨する根拠は十分でない」と記載されています。推奨グレードはC2(行うよう勧められない)とされています。日本泌尿器科学会の中でも特におしっこの専門家たち(プロ中のプロたち)が作った診療ガイドラインにそのように記載されています。そして意外と毎日使用するとお値段もしっかりします。テレビや新聞などに出ていれば、すごく効果がありそうに思いますが、残念ながらそこまで効果が高いと思うものはありません。
病院には当然プロ中のプロがお勧めする推奨グレードA(行うよう強く勧められる)の治療方法があります。

「不安が解消されて元気になれる場所」を目指します。
当院はみなさんと一緒に先を見据え、泌尿器科の知識を有する私たちが道先案内人のようにみなさんをガイドすることを目指しています。
私は泌尿器科の中でも特におしっこに関連することを中心に仕事をしてきたと自負しております。(泌尿器科専門医でもあり、がん治療認定医・指導医でもあり、腹腔鏡技術認定医でもあり、医学博士でもあります。毛髪診断士にもなりました)また、広島大学病院、安佐市民病院、三次中央病院などで20年間勤務してきておりますので、これらの病院とも連携しながら診療を進めてまいります。
三次という土地柄、フレスポという場所柄を活かしながら病院を作ってまいります。また、三次という土地柄手薄になっている領域についてもできる範囲で診療を提供できるように今後も検討していきます。駐車場は200台以上ありますので、いくら来ていただいても十分に駐車できます。
病院はスタッフ・患者様のみんなで作っていくものだと思います。「当院を受診すると不安が解消されて元気になれる場所」を目指しています。
とりあえず病院の建物は出来上がりました。みんなで病院を育てていきましょう。病院嫌いが作った病院です。自分の子供時代にもこんな病院があったら良かったなと思えるような病院にしていきたいです。